年末特別企画 青スポグルメガイド

イキたくなる店 大島水産 featuring おが亭

   

12月某日。都心から車で揺られること約30分。東京は町田市内のとあるマンションの一室にそのお店はあった。
聞くところによると、釣り好きのオヤジと料理好きのオヤジが意気投合して生まれた1日限定のレストランだとのこと。
とはいえ、ここはどう見ても普通のマンションの入り口。「果たして、こんなところにレストランなんてあるのだろうか?」
そんな不安を胸に抱え、1階のエントランスで待っていると、指に包帯を巻いたちょっと強面の店員さんが現れてお店まで案内をするという。
最初はどこの事務所に連れて行かれるのかと心配してしまったが、見た目と違ってなかなか丁寧な接客態度に好感が持てる。このお店は期待できそうだ。
 
エレベータに乗って11階で降りると、いきなり鮮魚祭りの、のぼり旗が出迎え、更に玄関を開けてお店に入ると「大島水産」と書かれたのれんが目に飛び込んできた。
「本当にこんなところにお店があるんだ」
ちょっと前までの不安が消え去ると、俄然お店への興味が沸いてくる。
この日は野球関係者(青空ドリームス)の忘年会が開かれており、店内に入ると既に熱気を帯びている雰囲気で、思ったよりスペースも広い。
窓の開口も広く、眼下には東京の景色が一望できる中々のロケーションだ。
なんでもこのお店は、花火を見ながら食事もできるとのことで、果たして今宵は花火を楽しむことができるのだろうか。
店内に目を移すと、テレビのモニターには、野球のスター選手達の映像が写し出されていて、皆で楽しそうに見ている。
奥の厨房では、一見ラーメン屋かと見間違う、まるで頑固オヤジのようなスタッフが、黙々と魚を捌いている姿が見えた。
そう、このお店の売りは、東京湾や相模湾でその日に獲れた新鮮な地魚を出してくれるお店なのだ。
そしてそのラーメン屋のオヤジこそ、何を隠そう釣り好きが高じて大島水産なる水産業をはじめた当のご本人とのこと。
お店の話によると、この日の漁は相当苦労したらしく、出迎えてくれた強面の店員さんの包帯もその時の怪我だそうだ。
それでも、アジを約20尾、サバを2尾獲とってくるとは、さすがのプロ魂を見たような思いがした。
ちなみにこちらのお店は、料理好きのご主人が、時々小料理屋を開いている場所で、この日のために大島水産と共同で企画して1日限定のオープンへと至っている。
そんな人々がもてなしてくれる料理とは、一体どのような料理なのだろうか?ビールを飲みながら楽しみに待つことにした。


スター選手の往年の映像を鑑賞する青空ドリームスの皆さん
  


黙々と魚を捌き続けるラーメン屋のオヤジこと大島水産代表の大島氏
  

まずはお通しが二品出てきた。たたききゅうりとさきいかの和え物と、焼き茄子と鳥ささみをマスタードとマヨネーズ絡めた和え物の二点だ。
身近な食材をシンプルに和えているだけのお通しなのだが、これがなかなかにビールが進む。
ふと、再び厨房に目をやると、まださっきのラーメン屋のオヤジが一心不乱に魚を捌いている。せっかくなので、メニューに載っている板長のスマイルを注文してみた。
すると、目の下に隈を作りながら引きつった笑顔で応えてくれた。お目当ての魚が食べられるのには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
  
と思っていたら、今度はアオリイカの刺身が出てきた。なんでも塩とレモンで食すのだそう。
イカの刺身といえばなんの疑いもなく、わさび醤油だと思っていたのだが、これがどうして結構いける味だ。アオリイカの味を知ってしまうと、他のイカがたべられなくなるのも頷ける。
ラーメン好きのオヤジが釣り上げて冷凍していたものらしいのだが、新鮮かつ濃厚な味わいがするからなんとも不思議だ。
続いて出てきたのは、砂肝を使ったモツ煮。かのB級グルメで知られるB-1グランプリにて甲府代表として優勝を勝ち取ったあの一品だ。
料理好きのオヤジの田舎がその甲府らしく、昔からよく食べていたそうな。このお店では砂肝だけを使ったオリジナルレシピだったようだが、この日の人気メニューとなっていた。
  
そして、いよいよメインの魚料理の登場だ。
出てきたのは、鯵のなめろうと胡麻鯖。
まずはなめろうを一口いただくとする。美味しい!青魚特有の臭みがまったく無く、ほどよい甘みと濃厚な食感に、つい大衆魚ということを忘れてしまいそうになる。
つづいて、胡麻鯖なるものをいただく。
聞くところによると、新鮮な鯖でしか味わえない一品で、福岡地方の郷土料理だという。
これまた美味しい!擦り胡麻に薬味を入れて、みりん醤油で和えているだけなのに深い味わいがある。
新鮮な鯖が手に入らないと食べられない料理だそうで、したがって関東地方で胡麻鯖を出しているお店はほとんどなく、このお店に来ないと味わえない逸品料理だ。


ラーメン屋のオヤジスマイル
  


本日のおしながき
  

例え大衆魚であっても、新鮮であれば高級魚にも負けず劣らない旨さがあることを証明してくれる料理の数々に思わず焼酎も進む。
そして、このお店のユニークな点は、食事の間に様々なショータイムが楽しめるようになっているところだ。
訪れたこの日は、ゴダイゴのライブとエスパー伊藤のパフォーマンスを見ることができた。B級グルメだけでなく、B級なショーまで楽しめ、様々な形で身も心も満たしてくれる。


ゴダイゴのライブショー
  


エスパー伊藤のイリュージョンショー
 

そんな賑やかで楽しいひとときを過ごしながら、いよいよ料理の方は終盤に差し掛かる。
次に出てきたのは、自家製のアオリイカ一夜干し。
アオリイカを丸ごと一杯使い、お店のバルコニーで一昼夜かけて干した、なんとも贅沢な一品だ。
刺身と違って、プリップリッの食感に加えて、香ばしくとてもジューシーな味が堪能できる。あらためてイカの美味しさを再認識させられた。


アオリイカの一夜干し 決して手錠を隠しているわけではない?
  

ここまで、どの料理もお酒との相性が抜群で、お箸もグラスもどんどん進んでしまう。
と、ここで一息、このお店お薦めのお酒も紹介しておこう。
この店のプロデューサーでもある角田氏が、お気に入りのカルフォルニア産赤ワインを、エロイ目つきで教えてくれた。
あまり知られていない銘柄のワインだが、氏の夜のトレーニングで出会ったワインだそうで、リーズナブルな価格帯ながら、程よい甘みと酸味に芳醇さを兼ね備えたハイコストパフォーマンスの赤ワインだ。
女性でも一気に飲んでしまいそうになるワインで、氏が執拗に薦めたくなるのもよくわかる。


角田氏お薦めのカルフォリニアワインとおしながき
  


奥にひたすら魚を捌き続けるラーメン屋の姿が… 右はエロソムリエの角田氏
  

そうこうしているうちに、最後の料理が運ばれてきた。今宵の絞めの一品は、大島水産特製のつみれ鍋だ。
とにかくお汁が旨い!焼いた鯖のあらでとった出汁が見事に効いており、たっぷりの野菜に鯵とアオリイカのつみれの旨味が凝縮された至極の鍋だ。
最後に残ったお汁で、うどんをいただいて本日の料理はこれにて終わり。
新鮮な地魚と絶品料理の数々に楽しいショーまで見ることができて、これでたったの3,000円とは驚きのお値段だ。
気づけば17時の開店から日付が変わろうかという時間。あまりの楽しさに時が経つのを忘れるほど、お店の魅力を味わうことができた。
  
そろそろと思い帰り支度はじめようとすると、先程の角田氏が、お客さんへバルコニーに来るように促している。
慌ててバルコニーに出てから暫くすると、寝静まった住宅街の夜空に鮮やかな花火が2発打ちあがった。
実は、食事中にお店のモニターでは花火のDVDが延々と流れていたので、花火を見ながらの食事はこういうことか思っていたのだが、まさか本当の花火が見れるとは思いもよらなかった。
暗闇の公園を必死に走り去る人影を見たような気もするが、きっと酔っていたせいだろう。
こうして、最後に近隣まで驚かすサプライズ演出も終わり、遂にお店の閉店時間を迎えた。
  


つみれ鍋に舌鼓を打つ青空ドリームスの皆さん
  

料理の待ち時間が長かったり、厨房に疲労感が漂っていたりと、いくつか気になる点も散見されたが、お店とお客さんが一体となって楽しめる、この空間でしか味わえないひとときを充分に堪能することができた。
そして何より、この日のお客さんの一様に満足した表情が、このお店の魅力を充分に物語っていたのではないだろうか。
今日1日だけで閉店してしまうのは、あまりにも惜しい気がするが、もしかするとアナタの町のどこかで、人知れず開店しているかもしれない。
クーラーボックスを抱えたラーメン屋のオヤジを見かけたら、きっとその近くでお店がオープンしているに違いない。是非探してみて欲しい。
この後、角田氏の案内で熟女パブの風俗レポートを予定していたのだが、夜も更けてきたのでそれは次回町田に訪れた時の楽しみとして残しておこう。
  

= 青スポ編集部 =

  

      

  

   

 

  

  
 大島水産 featuring おが亭 
   
 場所 :東京都町田市某所
 営業時間 :17:00~24:00※不定期営業
 予算 :0円~3,000円
 オススメ度 :☆☆☆☆
 問合せ :青空ドリームス 飲食事業部

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